こちらの記事では、障害者雇用として働いてみて感じたメリットとデメリットをお伝えしていきます。
自身は現在、発達障害者として一般企業の障害者枠で、事務補助職として勤務しています。雇用形態は初めの1年は契約社員でしたが、その後正社員として登用されました。障害者雇用として働く前に3社ほど一般就労(障害を隠して就労)してきましたが、仕事内容と自身の特性が合わずに離職した経緯があります。そのような状況でしたが、現職に1.5年働くことができています☺
周囲に障害があることをオープンにせずに働いている方や、障害者雇用での働き方を視野に入れている方の参考になれば幸いです。
それでは、見ていきましょう~🌸
障害者雇用のメリット①長期就労をしやすい
メリットの1つ目は、長期就労をしやすいです。現在障害者雇用の正規社員として1.5年就労していますが、一般就労と比較すると業務内容が特性と合っており就労継続しやすいと感じています。(初めの1年間は契約社員で、その後正規写真に登用されました)
発達障害者で、特に自閉症スペクトラム(ASD)の方が得意とされる「マニュアル完備」「反復作業」「変化が少ない」業務が多く、黙々と遂行できる点が良いです。
また、障害者雇用として働いている自身の部署には約45名ほどの方が働いています。この1.5年の間の離職者は0人でした。一人も辞めていない状況を考慮すると、働きやすい環境だと感じます。
障害者雇用のメリット②障害年金を受給しやすい
メリットの2つ目は、障害年金を受給しやすいです。
障害者雇用で働く場合、手帳の取得が必須であり、当事者に何らかの社会福祉支援を要する方が多いです。障害によって、自身の就労が著しく制御されていることを客観的に証明されていることから、障害年金が受給しやすくなります。
これは、障害者雇用として働き始めた当初には思いもよらなかったメリットでした。
現在、一般就労として働いている方や、障害者雇用を検討しているけれども金銭面でネックに感じている方にとって朗報だと思います。自身も約1年かけて障害年金を申請し、無事取得することが出来ました。その内容を下記に記載しているので、良かったら参考にしてみて下さい。
障害者雇用のメリット③精神面でのサポートを受けやすい
メリットの3つ目は、精神面でのサポートが受けやすいです。具体的には下記2つの支援者からサポートを受けやすく、その結果長期就労に繋がっています。
①会社の上司
会社の中に相談者がいることが精神的にとても安心し、安定就労に繋がりやすいです。障害者雇用として働くと、業務上での困りごとや人間関係の悩みを相談する体制があります。
一般就労で働いていると、会社の方に相談することが困難な状況が多々あります。その背景として、障害を公表することで差別的な対応を受ける可能性や、最悪の場合に仕事を解雇されやすいためです。
また就労は出来ても、障害をオープンに出来ないと職場での困りごとを一人で抱え、ストレスが溜まったり、鬱になったりするケースもあります。
障害者雇用として勤務すると、当事者が就労上のストレスを溜めにくく、就労に躓かないためのサポート体制が備わっています。
②発達障害者支援センターなどの相談員
障害者雇用として勤務すると、発達障害者支援法の福祉制度として支援機関との定着面談を受けることが出来ます。就労移行支援の職員や、ご自身のお住まいの就労支援センターなどの相談員と定期的に面談し、悩みごとや困りごとを聞いて貰えるのでおすすめですね。
一般就労では上記サービスの利用が厳しく、障害者雇用で勤務している方が利用できます。
自身も就労支援センターの相談員の方と相談することで、例えば認知行動療法やアンガーマネジメントなどを教えていただきました。徐々にではありますが、発達障害特性の「白黒思考」を改善し、物事をグレーに考えるようになりました。(完全に出来ているわけではないのですが、、(;’∀’))
また、職場の方とのコミュニケーションでストレスが生じた際は、出来るだけ早い段階でノートに気持ちを言語化して把握したり「認知行動療法」をしたりしています。凝り固まった思考を客観視して、認知の改善に努めています。
障害者雇用のデメリット①社員間での問題が発生しやすい
デメリットの1つ目は、社員間でのコミュニケーションの問題が発生しやすいです。
当たり前ですが、障害者雇用として勤務している方は何らかの障害を抱えています。発達障害・知的障害・精神障害の方が多数集まる中で、コミュニケーションを苦手とする方が多数いると意思疎通の問題が生じやすいです。
例えば、非言語コミュニケーションの表出を汲み取めず、相手の意図しないことを感じて傷ついたり、疎外感を感じやすくなるかもしれません。
障害者雇用のデメリット②低賃金になりやすい
デメリットの2つ目は、一般就労と比較すると低賃金になりやすいです。障害者雇用といっても、職種や働き方は多岐に渡りますが、低賃金であることが多いです。
自身も、そのことを念頭に一般就労から障害者雇用へ転職しました。現在は、年収300万円ほどです。
低賃金になりやすいことをカバーするため、障害年金を申請することを強くオススメします。自身は現在障害共済年金2級を受給しており、月額11.5万、年額で約140万を得ることが出来ています。手取りの総額は本業の240万と障害年金の140万を合わせて380万であり、年収に換算すると約500万の計算になります。障害年金のお陰で、余裕のある生活を実現することが出来ています。
また、家族との同居に抵抗がない方であれば、実家で暮らしたり、一人暮らしを希望する方はグループホームに住むことで生活費を大幅に抑えられる可能性があります。
障害者雇用のデメリット③一般就労でのスキルが育ちにくい
デメリットの最後は、一般就労でのスキルが育ちにくいです。障害者雇用として勤務すると、単純反復作業や変化の少ない業務が多く、その職場でしか使えないスキルであることが多いです。(専門能力に特化した障害者雇用もあるので、絶対にそうとは言えないのですが、、)
将来的に障害者雇用ではなく一般雇用で働きたい方にとっては歯がゆい思いをするかもしれないです。
その為、仕事とは別に自己研鑽としてスキルを身につけるために勉強することで、将来の可能性が広がると感じます。
以上が、障害者雇用として勤務して感じたメリットとデメリットです。
障害者雇用を考慮している方にとって、参考になれば幸いです。ではまた~🌸
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