障害年金を受給したいと考えているけれど、受給方法を知りたいと思っている方や、一度申請したけれど申請が通らず困っている方がいらっしゃるかもしれません。筆者は約1年をかけて、社会保険労務士(以下社労士と記載)に依頼をして障害年金を申請し、障害年金2級を受給することができました。こちらの記事では、受給までに行った4つのことについて、お伝えします。
結論からお伝えすると、私が年金を受給するために行ったことは下記4点です。
特に、1点目と3点目が重要なポイントだと感じています!
①あきらめない
②社労士選びのポイントを掴む
③社労士に依頼する
④常に情報を得る
では、1つずつ見ていきましょう~☺
申請時の状況
下記の内容は、障害年金を申請し始めた時の私の状況です。
・障害者雇用で勤務(4か月目)
・精神障害者手帳3級
・申請当時(2024年2月)29歳。それまで一般就労で勤務していた。自閉症スペクトラム(ASD)であり、障害特性に合った仕事に長期的に就くことが困難な状況が続く。そこで、長期就労を目的に障害者雇用へ転職し、4か月経過したタイミング。
・障害年金を受給する要件が揃っていた
①あきらめない
次に、受給するために具体的に行ったことをお伝えします。一つ目は、あきらめないことです。
えっ!具体的な方法を知りたいんだけど、、(いきなり精神論??)と思われた方がいらっしゃるかもしれません。ただ、障害年金を申請しても、全ての人の申請が通るとは限らないのが現状です。
そのために「絶対にあきらめないこと」が大切だなと感じます。場合によっては、困難さにくじける時があるかもしれませんが、ここは粘り強く頑張って欲しいです。。
「どのようにしたら受給できるのか」を逆算して考えることで、壁にぶつかったときでも、現実的に成功する方法を考えるようになります!「どんな手を使ってでも受給する」と強く意気込むくらいで丁度よい気がします。(もちろん、症状について嘘の内容を書いたり、悪い手?を使ったりすることは良くないかなと思いますが)
この記事を読んでいる方が受給できることを、心から願っています。
②社労士選びのポイントを掴む
障害年金を受給するために行ったことの2つ目は、社労士選びのポイントを掴むことです。
障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分けられます。そして、障害基礎年金は市町村へ、障害厚生年金は、お近くの年金事務所や街角の障害年金センターに必要書類を提出する必要があります。
上記どちらの年金も、①自分で必要書類を揃えて提出するか②障害年金に詳しい社労士に依頼する方法の2通りの方法があるのですが、社労士にお願いすることを強くオススメします!
なぜなら、圧倒的に社労士に必要書類を作成してもらった方が、申請が通る確率が高まるからです。
こちらの記事が、ポイントを掴むのに非常に役に立ちました。社会保険労務士事務所ピオニーさんの記事です。
個人的には、下記3点を重視して社労士選びを行いました。
・精神疾患に特化した社労士であること
・着手金や報酬について、初めての面談の際に明確に説明があるか
・着手金が無料ではなく、有料の所を探す
そして、「NPO法人障害年金支援支援ネットワーク」という団体に電話をして、社労士を紹介して貰いました。
「NPO法人障害年金支援ネットワーク」さんは、年金を受給できるにも関わらず、受給に至っていない人たちに適切な給付が行われるように、電話相談や広報活動を続けている全国規模の非営利団体です。また、手続きを代行する社労士の紹介も行っています。
③社労士に依頼する
障害年金を受給するために行ったことの3つ目は、社労士に依頼したことです。
年金受給のために行ったことの2つ目にも記載したのですが、「NPO法人障害年金支援ネットワーク」さんに社労士を紹介してもらいました。
まずは、電話相談に乗ってもらい、後日対面で自身の障害特性や就労状況、生活状況をお伝えしました。また、社労士より、障害年金申請に必要な診断書作成のための質問をされ、それに返答する形で面談を行いました。
担当してくださった社労士は、物腰柔らかく、丁寧に障害年金制度や受給できる人のポイントなども教えてくれたのが良かったです。
依頼して良かったと思うポイントは、下記3つです。
①診断書にどのように記載すれば、通過率が高まるのか把握している
当たり前ですが、素人が必要書類に記載するよりも、障害年金についてよく理解しているプロに任せた方が、年金を受給できる確率が高いです。
②精神疾患専門の社労士に依頼できる
社労士に相談するとしても、「すべての障害(精神疾患・高次脳機能障害・身体障害など)に対応する社労士」や「精神疾患に特化した社労士」など、対応する範囲が異なるケースがあるようです。
そこで、受給率を高めるためにも、精神疾患に特化した社労士に依頼することで結果的に申請が通ると感じています。
③障害年金に協力的な医師を把握しており、紹介してくれる
社労士に相談することで、障害年金に協力的な医師を紹介してくれることがあります。年金受給を成功させるためには、いかに自身の生活状況や就労状況が障害特性によって困難であるかを把握してくれる医者に出会えるかが重要になります。
障害年金を受給する前の自身の担当医は、障害年金申請にあまり協力的ではない状況でした。
その理由として、自身が以前一般雇用で働いていた職場では、3年以上継続して勤務することが出来た経験もあり、そこまで重症とは考えられていなかったためです。元担当医に、年金申請に必要な診断書の作成依頼をしても、「99%通らないと思うよ」との話がありました。
そこで、社労士さんに相談し、協力的な医師を紹介してもらい転院することにしました。
結果的に、転院して良かったと感じています。社労士に紹介してもらった病院の先生に、診断書作成を依頼すると「良いですよ~」とすぐに承諾してくれました。医師によって、こんなにも対応が異なるのかぁ!と驚いたと同時に、安堵したことを覚えています。
社労士に依頼した後は、必要書類は社労士が全て揃えてくれました。なので、私は送付された書類に必要事項を記載したり、診断書作成のために、自身の障害特性や生活状況、就労状況を細かく文章化したものをこまめに伝えたりしていました。
④常に情報を得る
最後に、障害年金を受給するために行ったことが、常に情報を得たことです。
社労士に依頼してから、実際に受給決定になるまで1年ほどかかりましたが、その間に障害年金についてできる限りの情報を得るようにしていました。
なぜなら、受給しやすいポイントを把握することで、社労士に自身の状況を伝える際に活かせると考えたからです。診断書作成のために、どのような情報を提供すれば良いのかを逆算して考えていました。
具体的に参考になった情報が、下記3点です。
①書籍「これならわかる<スッキリ図解>障害年金 第2版」
参考になった情報の一つ目は、「これならわかる<スッキリ図解>障害年金 第2版」です。
この本の良いところは、障害年金の制度や、受給するために必要なこと、受給するためのポイントを分かりやすく伝えているところです。約1000円で、重要な知識を得ることができるので、障害年金申請を考慮している方には読まれることを強くおすすめします!
また、第1版と第2版があるのですが、後者の第2版を読むと良いと思います。制度に関する最新情報が記載されていることと、精神障害による請求に関する情報が、第2版から記載されているためです。(第1版には無いようです)
また、個人的にはこの本の筆者の心強い言葉に励まされて、あきらめずに申請の準備をすることができました。4~5ページに、下記メッセージが載っています。
「請求手続きに必要な資料を集められなかったり、請求結果が思わしいものではなかったりしても、粘り強く受給の可能性を探って欲しいと思います。障害年金は、「最後の砦」のようなイメージをもたれることもありますが、筆者自身は「希望を取り戻すもの」だと感じています。病気やけがにより就労への不安を抱えている方が、障害年金によって安心して生活できるようになる―本書がそのきっかけになれば幸いです。」
この文章を読んで、すごく嬉しい気持ちになりました。優しい言葉に救われますね。。
②りょーハムさんのYouTube動画を見る
参考になった情報の2つめは、りょーハムさんのYouTube動画です。
りょーハムさんは発達障害当事者のYouTuberです。発達障害のADHDと診断されており、社労士に申請依頼をして障害年金2級を受給されたようです。下の動画が参考になりました!
この動画の良い所は、記入例を詳細に公開してくれている点です。どのように記載すれば申請が受理されやすいのかを分かりやすく、丁寧に説明してくれています。
③受給に成功された方のX(旧ツイッター)やnoteの記事を読む
最後に参考になった情報は、Xやネット上での記事です。実際に受給された方の情報を取得し、どうすれば受給しやすいのか情報を集めていました。
当事者であるぴえびさんのnoteに記載されていた、インタビュー記事が特に参考になりました。(ぴえびさんが発達障害当事者の方々に、に就労状況や障害年金、ライフハックなどをインタビューしており、非常に有益な情報が多いです!)
そこで紹介されていたある方の記事が印象的でした。
「(障害年金を申請して)思ったのは、どれだけ良いお医者さんに出会えるか、どこまで自分の困難を強気に押し出す文章を書けるかだと思っています」
「強気に押し出す」の言葉が、非常に心に刺さりましたね。この文を読んだ時に、診断書に記載するポイントとして、特性や生活状況の困難さを詳細に書くこと、そして最悪な状況(例えば、元気な時ではなく鬱状態にあるとき)を記載することの重要性を感じました。
まとめ
まとめです。私が障害年金2級を受給するために行ったことは、下記4点です。
①あきらめない
②社労士選びのポイントを把握する
③精神疾患に特化した社労士に依頼する
④常に情報を取得する
受給するのに約1年ほどかかりましたが、障害共済年金で年間でおよそ130万円ほど受給することができました。
障害年金の受給を考えている方の参考になれば幸いです。
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