精神障害者保健福祉手帳の取得 メリット・デメリット

障害者手帳


 
この記事は、精神障害者保健福祉手帳の取得に悩んでいる方や、現在手帳は持っているけれど、よりメリットやデメリットを知りたい方に向けた記事です。
 
精神障害者保健福祉手帳は、精神障害のため、長期にわたり日常生活や社会生活への制約がある方を対象とした手帳です。精神障害者の自立と社会参加の促進を図るため、手帳を持っている方々には、様々な支援策が講じられています。

対象者は、何らかの精神障害(てんかん、発達障害などを含みます)により、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある方を対象にしています。


また、手帳の等級が1級~3級まで分かれており、1級が症状としては一番重い状況となります。
 

精神障害者保健福祉手帳を保持するメリットとデメリットを、下記に紹介しています。


メリット
・沢山の恩恵が受けられます。特に、最後のサービスは私も頻繁に使用しており、日々の趣味が充実&節約できるのでおススメです。
 
 
【全国一律に行われているサービス】

NHKの受信料が無料または免除

【無料の方】
精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方がいる世帯で、かつ、世帯構成員全員が市町村民税(特別区民税含む)非課税の場合

【免除(半額)の方】
精神障害者保健福祉手帳をお持ちで、障害等級が重度(1級)の方が、世帯主で受信契約者の場合

参考サイト:
https://www.nhk-cs.jp/jushinryo/exemption_list.html


 
・税金の控除・減免
確定申告や年末調整の際に、障害者控除が適用され、住民税や所得税が安くなります。
(※控除とは、支払う予定だった税金が差し引かれ、税負担が軽くなること)

年末調整の際に記入する用紙の「障害者控除」の欄にチェックを入れると、障害者控除が適用されます。

ただ障害者控除の欄に記載すると、会社の方に障害を持っていることバレてしまう可能性があるので、年末調整とは別に確定申告書で申請するのが良いかもです。

少し手間と時間がかかりますが、、一度申請の経験すると案外簡単でした!
数分で、しかもインターネット(e-tax)から確定申告が出来ます。払いすぎた税金が戻ってくるので良いです。(申請者の年収によって還付される額は異なるのですが、数万円戻ってきます。)

・相続税の控除

相続人の中に、障害のある方がいる場合、相続税から一定の控除が受けられるという特例があり、これを相続税の障害者控除と言います。

この相続税は、下記3つの用件があります。
① 日本国内に住所があること
② 障害者であること(一般障害者と特別障害者)
一般障害者の場合
・身体障害者手帳上の障害等級が3級~6級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が二級又は三級

特別障害者の場合
・身体障害者手帳上の障害等級が1級または2級
・精神障害者保健福祉手帳上の障害等級が一級
③ 法定相続人であること

・自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

精神障害者手帳の交付を受けている方のうち、障害の級別が1級である方が対象です。2級と3級の方は該当しないので、ご注意ください。


 ・失業保険の受給期間が長期化、待機期間の短縮

 
失業保険 (雇用保険)の受給期間が一般に比べて長期で受給することができます。

会社を退職または倒産して、失業保険を受給する場合、障害者手帳を持っていると受給期間が長くなります。これは、障害のある方が「就職困難者」に分類され、就職活動に配慮してもらえるためです。

失業保険は、(1)離職理由(2)年齢(3)被保険者であった期間の3つの条件より、一日に支給される基本手当額と、支給日数が決まります。

下の表を見てください。例えば、②の「倒産、解雇、一定の要件を満たす雇止めで離職された方(③を除く)で、30歳未満の方で、かつ被保険者であった期間が1年未満の場合、所定給付日数が90日となっています。(引用文献:ハローワーク(公共職業安定所) 『雇用保険の失業等給付受給資格者のしおり』)

一方、③障害者等の就職が困難な方の場合、45歳未満で、被保険者期間が1年未満の場合、所定日数が150日となり、一般の方よりも60日ほど長期間受給できます。

(自身もこの要件のおかげで、腰を据えてじっくり考えながら転職活動をする時間があり、とても助かりました。)

また、失業保険の待機満了期間が縮小され、待機期間が7日ほどになります。そのため、通常よりも約2か月早く受給でき、金銭的に余裕を持って転職活動をすることが出来ます。

(通常、離職をしてハローワークへ失業保険の申請した場合、待機期間が2か月ほどあるのですが、その期間が短くなり早く受給可能となります。その際に、ハローワークから貰える「病状証明書」をかかりつけ医に記載して貰い、それを初めての失業保険認定日に持参してください。

待機期間の7日後に、失業保険が振り込まれます。詳しくは、お近くのハローワークへお尋ね下さい。)

・雇用保険の加入期間6か月以上で、失業保険の受給資格が得られる場合がある。

通常、失業保険の支給条件として、1年以上雇用保険に加入する必要があります。

しかし、雇用保険の加入期間が1年未満でも手帳を保持しており、障害が理由で退職せざるを得なかった場合、6か月以上の加入で、失業保険が支給されます。

(実際、私も3回目の職場で軽い抑うつ状態になってしまい7か月で退職した経緯があります。この支給要件にとても助けられました。この要件は、あまり知られていない印象を受けたので、是非参考にしてみて下さい。)


・就労移行支援サービスが受けられる

就労移行支援とは、一般企業などへの就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識および能力の向上のために必要な訓練を行います。


・就労継続支援サービスが受けられる

就労継続支援は2つのサービスに分かれます。

就労継続支援a型と就労継続支援b型

a型=雇用型 b型=非雇用型があり、一般企業での就労が困難な人に働く場を提供し、知識・能力向上の訓練を行います。

障害者雇用枠での就職でエントリーできる
障害者手帳を保持していると、一般枠での就職ではなく障害者雇用として就職することができます。ご自身の障害と特性に配慮を受けながら就労を希望している方にとって、障害者雇用でエントリーする際に役立ちます。

・生活福祉資金の貸付
 生活福祉資金貸付制度は、社会福祉協議会によって行われているもので、低所得者や障害者、高齢者へ経済的支援をし、在宅福祉や社会参加を促すことを目的としています。

また、借りる目的に応じて資金を貸し付けることで、経済的な援助を行います。

利用に制限のない障害年金と違い、生活福祉資金貸付制度では貸し付けられた資金を何に使うかが非常に重要となってきます。
 
 
 
 
【地域・事業者によって行われていることがあるサービス】
 
・公共交通機関の割引
鉄道・バス・タクシー等の運賃に割引が適用されます。
(※JRや航空会社は、2023年8月現在では対象になっていません。)
・携帯電話料金の割引
・上下水道料金の割引
・公共施設の入場料等の割引
・福祉手当
・公営住宅の優先入居
・飛行機の割引
・文化施設での割引

映画や水族館、博物館や美術館、テーマパークなどの割引が効きます!(例:ディズニーランドや庭園など)
 

 
デメリット
 
・手帳取得にお金がかかる

手帳を申請するためには、居住地の市町村に診断書の用紙を貰い、担当医に診断書を記述してもらう必要があります。その書類を書いてもらう為に、5,000円~10,000円ほどかかります。
 
・2年に1度、更新する必要がある

精神保健福祉手帳の有効期間は2年間のため、都度更新する必要があります。知的障害や身体障害などの方は、生まれつきの障害のため更新の必要がありません。精神障害の場合、その方の障害と周囲の環境との相互作用で障害の度合いが変化するため、更新する必要があるようです。

 
・手帳を持っていることが周囲に知られてしまう可能性がある


手帳を持っていることが、職場の方や知人に知らされてしまい、差別的な目で見られることを心配されるかもしれません。けれど、自ら周囲に知らせなければ、伝わることはほぼないと考えられます。就職の際に提出する履歴書には、手帳取得を明記する必要もなく、公にする義務もないので安心してくださいね。

以上が、精神保健福祉手帳を持っている際のメリットとデメリットになります。

メリットとしては、下記内容が挙げられます。

・公的助成金や補助金が受けられる

・税金の控除・減免

・相続税の控除

・自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

・失業保険の受給期間が長期化、待機期間の短縮

・就労移行支援サービスが受けられる

・就労継続支援サービスが受けられる

・公共交通機関の割引

・文化施設等での割引

反対に、デメリットとしては下記内容が挙げられます。

・手帳取得にお金がかかる

2年に1度、更新する必要がある

・手帳を持っていることが周囲に知られてしまう可能性がある

個人的には、メリットが圧倒的に多いな~と感じており、受給資格がある方にはお勧めしたいです。今後、手帳取得に迷われている方の参考になれば幸いです。ではまた~🌸

コメント

タイトルとURLをコピーしました